症例Q&A of うめさと皮フ科クリニック

にきび(尋常性痤瘡)

Q.にきびの原因と注意点を教えてください。

A.にきびにも色々な状態があって、大きく分けると白いのと赤いのがあります。白いものは白にきびと呼び、毛穴の出口の角質が厚くなるために毛穴がつまってしまい、毛穴の中で作られた皮脂が、毛穴の中にたくさん溜まっている状態なのです。さらに毛穴の中にはにきび菌が棲んでいて、繁殖して毛穴の中で炎症を起こして、赤く腫れて中心が膿を持つようになります。
これが赤いにきびなのです。この赤いにきびは長引くと赤いにきびあとやシミになることもあります。以上、にきびと一口にいっても、白にきび・赤いにきび・にきびあとと色々な状態があって、それぞれ治療が異なってきます。また、高カロリーな食事や睡眠不足などは悪化する原因になるため、注意しましょう。


帯状疱疹(たいじょうほうしん)

Q.左腰に痛い発疹ができ、病院で帯状疱疹といわれました。帯状疱疹について教えてください。

A.帯状疱疹は、小さな水ぶくれが体の片側に帯状に広がる病気です。通常は強い神経痛を伴います。体のどこにでもできる可能性があります。原因は、子供のときに罹った水ほうそうのウイルスなのです。水ぼうそうが治っても、水ぼうそうのウイルスは、神経の奥に潜んでしまいます。普段は、そこから出て来ないでおとなしくしていますが、疲労などで体の抵抗力が落ちた時に、ウイルスが潜伏していた神経に沿って神経を壊しながら暴れだします。これが帯状疱疹です。治療は、抗ウイルス剤の内服が有効です。その他、痛みが強い場合には、鎮痛剤や傷んだ神経の回復を促すビタミン剤も併用します。皮膚の症状は通常2~3週間で治りますが、人によっては、痛みが治った後も続く、帯状疱疹後神経痛になってしまうことがあります。ご高齢の方ほどそれに移行する確率が高いので、早く治療を始めることが大切です。無理をすると治りが悪くなりますので、日常生活で注意することは、十分な栄養と休養をとることが大切です。

蕁麻疹(じんましん)

Q.数ヶ月ほど前から、じんましんが出るようになりました。原因は何でしょうか?

A.じんましんの原因をざっと挙げると、食品では、さば・カニなどの魚介類、卵や乳製品、小麦・そば・大豆などの穀物・野菜、肉類、食品添加物など。抗生物質や鎮痛剤などの薬剤、かぜなどのウイルスやカビ、日光・摩擦・寒冷・温暖など物理的刺激、発汗や運動、疲労やストレスなどなど。じんましんの原因は多種多様です。しかし、発症してから1か月以上の慢性じんましんの場合は、詳しい検査を行っても、原因となる異常がみつからない方がほとんどです。治療は花粉症などにも使用する抗アレルギー剤の内服で大抵の場合は症状が改善しますが、数か月から数年内服を続けないといけない場合が大半なので、長期にわたる治療が必要になります。疲労やストレスが増えると、必ずといってよいほど症状が悪化しますので、日常生活では、疲労・ストレスを溜めないようにしましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)

Q.とびひの注意点は?

A.とびひは、黄色ぶどう球菌やレンサ球菌という細菌が原因でおこる感染症です。子供に多く、湿疹やあせも、虫刺されなど、かゆくて掻きこわしてとびひになるケースが多いです。抗生物質の治療を行いますが、つけ薬だけでは治りにくいにで、抗生物質の飲み薬も併用します。湿疹などかゆみが残っている場合に、痒み止めの飲み薬も併用します。注意点としては、とにかく清潔第一です。毎日お風呂かシャワーで、石けんを使って洗ってからよく流しましょう。ふだんは手をよく洗いましょう。幼稚園や保育園、学校には、患部をガーゼで覆える部位ならば登校も可能ですが、鼻のまわりの場合や症状が広範囲の場合には休ませた方がよいと思います。プールは治るまで控えましょう。

乾皮症性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)

Q.毎年冬になると体が痒くなります。

A.ご高齢の方の体のかゆみの原因の多くはこの乾皮症です。皮膚の水分保持能力が低下くるため、空気が乾燥する冬季に悪化して湿疹になってしまいます。過度の暖房やこたつ、電気毛布の長時間使用は肌を乾燥させるため注意しましょう。加湿器などで部屋の湿度を保ちましょう。風呂に長く入り過ぎたり、洗い過ぎはやめましょう。また、ウールなどの刺激のある肌着や酒、香辛料、発汗、ストレスはかゆみを引き起こすので注意しましょう。